古都奈良の古本屋 智林堂書店のブログです。店主代理が綴る、本と人との一期一会な日々♪      近鉄奈良駅から徒歩5分ほど、もちいどの商店街内。不定休。11時から18時半頃。0742-24-2544


by nara-chirindo
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しみじみと

本日のお客さま。

60代ぐらいのかたです。
何ヶ月か前から、たまにお見えだったんです。
気がつけば最近はほぼ毎週のように。
おなじみさんに来ていただけるのはこちらとしても嬉しいことで、「あ、いらっしゃいませ〜。寒くなりましたねえ」なんて、少しずつお話するようになったりもして。

たまたま他のお客さんもいらっしゃらず、今日はいつになくたくさんお話してくださったのです。
堰を切ったように。

半年前に奥さまを亡くされたそうな。
そしてまだ、何ひとつ癒えていないそうな。
さびしいてかなんのですって。
何かをやろうとする意欲がわかないし、興味を感じないのですって。
そして死後、奥さまはどこへ行ったのだろうということをふと思って。
理系畑ひとすじで来られたかたなのに、仏教関係の本に答えを求めて古本屋をはしごされているそうな。

大阪にお住まいなんですけど、奥さまは奈良が大好きでしょっちゅうおふたりで来られていたとか。
だから今、奈良を歩いていると奥さまがついて来ているような気がされるそうな。
すぐ横を一緒に歩いているようで、ふと話しかけたりしてしまうそうな。

それをお聞きして。
涙ぐみそうになりました。
実際、奥さまはすぐ隣で歩いていらっしゃるんじゃないかなあ。
きっと優しく微笑みながら。

今週も奈良へ行こ、ついでにあの古本屋にもよってこ、そう思うことで少しでも気をまぎらわすことができるのなら。
いくらでもそのお手伝いをしたい。
お話をただ聞くことだけしかできないけれども。

帰りぎわ、「嫁はんは大事にせなあかんなあ。あんたも旦那を大事にせなあかんで」とおっしゃって。
しみじみ。
伴侶ということについて考えさせられた本日でした。
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by nara-chirindo | 2009-11-15 20:45 | 智林堂にて