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古都奈良の古本屋 智林堂書店のブログです。店主代理が綴る、本と人との一期一会な日々♪      近鉄奈良駅から徒歩5分ほど、もちいどの商店街内。不定休。11時から18時半頃。0742-24-2544


by nara-chirindo
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元興寺屋根裏探険記

今年の夏、「元興寺禅室に飛鳥時代初期(586年頃)の木材が使われていたことが判明した」とのニュースが駆け巡ったのをご記憶でしょうか。
飛鳥時代といったら、あの法隆寺を約100年さかのぼることになり、当然世界最古の木造建築部材なわけです。
しかも現役。今でもお寺を支える一部として機能しているのだから、とてつもない話ですね。
くわえて、屋根裏では修理の際に職人の彫った落書きも見つかったと。
なんとも興奮するといいますか、いろんな想像をかきたてられるようなニュースだったのでした。

で。
元興寺屋根裏探険記_d0105133_2035375.jpg
本日、その元興寺禅室屋根裏探険へ。
ご縁あって行かせていただきました。
(ハガキによる申込み制、現在は締切りをすぎております)
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萩の盛りがちょっと過ぎてしまって残念だけれど、他にもとりどりの花が美しい元興寺さん。
元興寺屋根裏探険記_d0105133_20422022.jpg
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通路を奥へ進みます。
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入り口でひとりひとり、懐中電灯&ヘルメットを渡されました。
思っていたよりものものしい。
マイヘルメットご持参のかたもいらっしゃったりして。
そのあたり、くわしくは某T嬢の報告をお待ちくださいまし。
私も対抗して山岳部時代のヘッドランプを持っていけばよかったかな〜。
ではでは、いざ屋根裏へ。
元興寺屋根裏探険記_d0105133_2039215.jpg
さすがに暗いし狭いし、足元も怖い。
でもひそかにわくわくする感じ、確かに「探険」です。これは。
要所要所で案内人さんが解説してくださいました。
奈良時代の梁が目の前にあって普通にさわることもできたのが驚き。
木って、つくづくすごいものだなあと。
残ってるんですもん。これだけの時を経て。
はるか昔のどなたかが触れたところに、今の私の手が重なっていることの不思議さ。
元興寺屋根裏探険記_d0105133_20393459.jpg
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暗い中、落書きもかろうじて写してきました。
わかりますでしょうか。コテで描かれた舞鶴と、ノミで彫られた戦闘機&富士山。
ニュースがごっちゃになっていたのか私は大きな勘違いをしてまして、この落書きも古い時代に書かれたんだと思い込んでたんです。
こちらは昭和の大修理時の、職人さんの手によるものだそうな。
そりゃそうです。
鶴はともかく、戦闘機ですもんね。
飛鳥時代に書かれていたらえらいこっちゃ。

下の禅室へ降りてみれば、なんだかさっきまでの経験が嘘のような明るい空間。
この上にいたんだな。
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あの屋根の下はあんな風になっていたんだな。

奈良に住んでいたってなかなか出逢えない機会だったと思います。
またまた貴重な体験をすることができました。
ご一緒してくださった皆さま、ありがとう!
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by nara-chirindo | 2010-10-18 21:06 | 奈良