古都奈良の古本屋 智林堂書店のブログです。店主代理が綴る、本と人との一期一会な日々♪      近鉄奈良駅から徒歩5分ほど、もちいどの商店街内。不定休。11時から18時半頃。0742-24-2544


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奈良本『奈良登大路町/妙高の秋』

d0105133_1921432.jpg奈良を舞台にした小説を探し始めて、まず出逢ったのがこちら。

『奈良登大路町/妙高の秋』島村利正著

寡作で知られる島村利正の名作集。
中程に「奈良登大路町」が収録されています。

派手さはまったくなく、20ページ程のごくごく短い作品ながら、こうも心に残るのはなぜなのでしょう。

美術出版社・飛鳥園に勤める「私」と人々、なかでも「青い眼のひと」ラングドン・ウォーナー氏との交流。
終戦後、焼け野原の大阪から奈良駅に降り立った「私」が、何も変わらない奈良の姿を見て涙ぐむ姿。
自分の眼前にも、その当時の緑萌ゆる奈良公園が広がるような、深い深い共感をおぼえました。

奈良が、奈良のまま残されて良かった。
時代を超えて同じ思いをもつことの不思議。

忘れ得ぬ一冊となりそうです。
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by nara-chirindo | 2007-06-04 20:04 | 奈良本