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古都奈良の古本屋 智林堂書店のブログです。店主代理が綴る、本と人との一期一会な日々♪      近鉄奈良駅から徒歩5分ほど、もちいどの商店街内。不定休。11時から18時半頃。0742-24-2544


by nara-chirindo
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年末年始に読む本 その2

お正月休みに最適?の歴史大長編。
歴史は歴史でも、昨日は日本史、今日は世界史です。
年末年始に読む本 その2_d0105133_20418100.jpg
塩野七生『ローマ人の物語』全15巻。
1992年から2006年まで、毎年一冊ずつ上梓されたというからすごいですね。
作者渾身のライフワーク、なんでしょうね。
古代ローマの興亡があますところなく。
教科書で学んだ時にはただカタカナの記号にしか思えなかった歴代皇帝たちの姿が、ひとりの人間として浮かび上がってきます。
上にたつ器じゃなかったり、とんでもない失言で兵士たちの信頼を失ったり、ボーナスをけちったり、身内をひいきしすぎたり。
そういうことで次々と失脚を繰り返すトップ。
次のはちょっとぐらいマシかいなという程度の関心しかない市民。
うわ〜、今も一緒ですやん。。。

小説ということになっていますが歴史書でもあり。
フィクションなのかノンフィクションなのか。
ジャンルわけの難しい、独特の塩野ワールド。

高校の授業中、社会の先生が面白いから読めとすすめてくれたのが、私が塩野七生の名を知った最初でした。
人のおすすめ本はすぐ読んでみたくなる、というか読んでないと悔しい。
さっそくその日の学校帰りに本屋さんによって、単行本を買いました。
それが『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』だったか『ルネッサンスの女たち』だったか思い出せないのでいい加減なもんですが。
大ファンだった筒井康隆の本は別として、それ以外で初めて自分のお小遣いからハードカバーを買い求めたのがこの時だったはずです。
学校の先生の何気ないひと言って、たまにすごく大きな影響を及ぼすことがあるんですよね。
ちなみに国語の先生のおすすめは折口信夫の『死者の書』でした。
それもすぐ買いにいきました。
どちらの先生のことも、今でもよく覚えています。

私の本の世界を拡げてくださった先生方。
おかげさまで、私は今もこういう仕事に関わってます。
by nara-chirindo | 2008-12-28 21:50 | 店主代理おすすめの一冊