古都奈良の古本屋 智林堂書店のブログです。店主代理が綴る、本と人との一期一会な日々♪      近鉄奈良駅から徒歩5分ほど、もちいどの商店街内。不定休。11時から18時半頃。0742-24-2544


by nara-chirindo
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カテゴリ:奈良本( 7 )

IT図書館で出逢う奈良本

このはな文庫さんに先日いただいて、とても嬉しかったもの。
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県立図書情報館で展示中の「奈良を舞台にした文学作品」のリストです。
私、個人的にせっせと奈良本を探してはいましたが。
こんなにあったとは・・!
このリストはすごいですよ。
文豪の全集の中に埋もれた短編も、◯◯殺人事件の類いも、歴史小説も、紀行文も、評論も。
志賀直哉から鹿男あおによしまで。
奈良に関わる文章はほとんど全てピックアップ。
それが700冊ほど。
作成者の苦労やいかに・・。

というわけで、ぜひとも実物を見てみたくなって、今日は県立図書情報館まで行ってきました。
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新しい!きれい!明るい!広い・・!
初めてなので、きょろきょろ。
勝手がわかりません。。。
入ってすぐの所に洋服や特産品の展示販売スペースまであって驚きました。
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私が慣れ親しんできた従来の図書館とはどうも雰囲気がちがう・・?
パソコン教室も開かれていたり、自由に使えるパソコンがあちらにもこちらにもたっくさん。
IT図書館、という感じですね。
肝心の蔵書も多そうです。
いろんなサイズの本を同じ棚に並べてあるのが印象的。
大型本と文庫とか。
全体的に棚を大きく作ってあるのでしょうかね。
テーマや作家別で本を探している時はその方が便利ですね。

そしてお目当ての展示は。
とてもきれいにディスプレイされていました。
奈良本がこんなに・・とまたしても感動。
何冊か借りて帰ろうと思っていたのに貸し出し不可の本が多くて残念。
もっと時間のある時に館内で読むしかなさそうです。

何度か通ってシステムに慣れれば、きっと調べものなどには最適の図書館かもしれません。
たまにはちがう図書館に行ってみるのも新鮮な体験でした。
次は国会図書館関西館にもチャレンジしてみようかな。

(※この展示は11月8日までです。また、11月9日から22日までは図書点検のため長期休館だそうです。行かれる方はご注意を・・)
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by nara-chirindo | 2007-10-25 22:42 | 奈良本

奈良本 ミニコミ誌編

奈良の古本屋特集が組まれた10月号に智林堂も載ってるんです、と先日のブログでご紹介したのは読売新聞系の「yomiっこ」でした。
対して、朝日新聞購読者に配布されるミニコミ誌というのがこちら。
「マイ奈良」です。
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小さい冊子ながら、奈良のお店や行事情報が満載です。
読み物の中では、奈良界隈の生き字引、増尾正子さんによる連載「奈良の昔話150」が秀逸。
ただの昔は良かったわい、というお話ではなくて。
鮮明な記憶にささえられた古き良き奈良の姿が、歴史的事実を織り交ぜながら淡々と語られます。
今号は猿沢池にまつわる思い出話が面白かったです。
それに、映画館シネマデプト友楽はもともと戦時中に建てられたニュース館だったという話も。
歴史としてそういうことを聞いてもへぇ〜と思うだけで終わりますが、その移り変わりようを実際に間近で見てきた人が現在語る言葉ですから。
どのエピソードもリアルで、往時が偲ばれます。
変わってしまったところもあり、まったく変わらないところもあり。
今の奈良のどこを歩いても、感慨深くていらっしゃることでしょう。

他にも記事はいろいろ。
私は毎号楽しみにしています。
「yomiっこ」同様に、一般の本屋さんでも購入出来ますよ。
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by nara-chirindo | 2007-10-01 22:26 | 奈良本

奈良本、番外編

いや番外編というより、むしろ正統派というべきか。
今回は奈良のまじめな研究書を集めてみました。
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『奈良市史』『奈良女子大学六十年史』『奈良縣教育八十年史』
などなど。。。
こういう本も置いてあるのです。
正直なところ、全部に目を通したとは・・。
言えませんです。はい。
まじめな研究者さんの手に渡って役立てていただれば何よりです。はい。
興味をひかれるページだけぱらぱらっと拾い読みしてみるというのも、それはそれで面白いですしね。
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意外と、箱から出してみればこんなかわいらしい表紙の物もありますよ。
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by nara-chirindo | 2007-09-21 22:20 | 奈良本
d0105133_223872.jpg短歌人でもいらっしゃるこのはな文庫さんに教えていただいた奈良本がこちら。

『ナラ・レポート』津島佑子著

森の中の鹿、美しい表紙です。


この本は読了までにものすごく時間がかかりました。
歯応えがあって、スラスラサラリとはいかないのです。
適当に流し読みすることを許してはくれない感じでしたね。

舞台はナラ、時空はさまざま、描かれる人物もさまざま。
ただひとつだけ、いつであっても誰であっても、決して変わらないものは母と子の想い。
母を亡くした子、子を亡くした母。
たがいに追い求めずにはいられないふたり。
重ねられる記憶。

作者は父・太宰治とは小さい頃に死に別れています。
さらにご自分のお子さんをも幼くして亡くされていると知って、ああそうだったのかと納得のいく思いでした。

 ーぼくたちにはいつも、ふたりで生きる時間が足りなかった。別れて生 きなければならない時間ばかりがたっぷり与えられた。ぼくたちの記憶 はひとつの流れとしては、残されていないー(本文より)

親と子の、共有することの出来なかった時間、記憶。
そういうものをひとつひとつ確認して、慈しみ、昇華させる想いがこの作品の根底にあるのだと感じました。

ナラ、ヨシノ、トウダイ寺、ダイジョウ院など固有名詞がカタカナで表現されることで、ナラであって奈良ではない、不思議な空間に。
個人的には、昔カササギ町に住んでいたことがあるものですから、そのあたりの描写がとてもリアルにイメージできて面白かったです。

奈良本として確かにこれは読んでおくべき一冊でした。
ご紹介くださったこのはな文庫さん、ありがとうございました!
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by nara-chirindo | 2007-06-17 23:11 | 奈良本
d0105133_1543599.jpg主に読書に関する真摯で紳士なブログを書いておられ、智林堂書店のお客様でもいらっしゃるしげぞうさんに教えていただいた奈良本がこちら。

『平城山(ならやま)を越えた女』
 内田康夫著

内田康夫、初めて読みました。
サスペンスドラマ的なイメージがあったので、冒頭あたりの格調の高さは意外でした。
ところどころ挿入される会津八一の歌が効いていますね。
奈良を愛する人達にとっての奈良とはどういうものなのか、ということがしっかり取材された作品だと思います。

ただ、ストーリーとしては、無理やり殺人事件に仕立てあげている気がしないでもない。
このどろどろの殺人、必然性あるかな。。。
そんなこと、内田康夫素人だからこそ言える大胆発言ですかね?
浅見光彦ときれいな女性と殺人事件、これは付き物なのかも。。。
シリーズを何冊か読んでいたら感じないことなのかもしれない。
でも何より本人も、自作解説でこう述べているんですよ。
「自分でもつくづく、この作品に殺人事件がなければいい小説なのに 
なあーなどと思ったりするのである。」
それ同感です。

知る人ぞ知る日吉館について、くわしく描かれていたのは収穫でした。
和辻哲郎、会津八一、久松潜一、志賀直哉、三好達治などなどたくさんの文化人や歴史を学ぶ学者学生達が集った、聖地のような格安旅館。
今も建物だけはそのまま在ると聞き、ちょっと見に行ってきました。
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向かって左隣は釜飯の志津香。
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温かくておっかない、皆のおっ母さんのようだったおばちゃんが亡くなられてからは、閉鎖されてこの通りの朽ちるにまかせた姿です。
しかし更地にされることも無く、昔のまんまの姿で残されているということは、かつてここに宿った多くの人々にとっては救いであるかもしれませんね。

毎日のように前を通っているところに、こんなにも歴史あるドラマティックな場所があったとは不覚ながら気付いていませんでした。
またひとつ奈良らしいエピソードを知るきっかけを作ってくださったしげぞうさん、ありがとうございました。
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by nara-chirindo | 2007-06-08 17:47 | 奈良本
d0105133_1921432.jpg奈良を舞台にした小説を探し始めて、まず出逢ったのがこちら。

『奈良登大路町/妙高の秋』島村利正著

寡作で知られる島村利正の名作集。
中程に「奈良登大路町」が収録されています。

派手さはまったくなく、20ページ程のごくごく短い作品ながら、こうも心に残るのはなぜなのでしょう。

美術出版社・飛鳥園に勤める「私」と人々、なかでも「青い眼のひと」ラングドン・ウォーナー氏との交流。
終戦後、焼け野原の大阪から奈良駅に降り立った「私」が、何も変わらない奈良の姿を見て涙ぐむ姿。
自分の眼前にも、その当時の緑萌ゆる奈良公園が広がるような、深い深い共感をおぼえました。

奈良が、奈良のまま残されて良かった。
時代を超えて同じ思いをもつことの不思議。

忘れ得ぬ一冊となりそうです。
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by nara-chirindo | 2007-06-04 20:04 | 奈良本

新カテゴリー追加

昨日の記事にて「奈良を描いた小説があれば知りたい」と書いたところ、当ブログ上でおふたりの方から、個人的にも数人から、それぞれのおすすめ本を教えていただくことができました。
ありがたいことです。

さっそく購入したり図書館で借りたりして、数冊は手元に集りました。
これらを今から読むことができると思うと、嬉しくてほくほくしてます。
読み終えたら順次紹介していきたいと思っています。

というわけで。
「奈良本」というカテゴリーを新たに作りましたので、これからも情報をおよせいただけましたら嬉しいです。
自分でもアンテナを張って探してみます。
条件は「奈良を舞台にした文学作品」で「良質のもの」。
ジャンルを問わず読んでみたいです。
そしてどんどん紹介していきたいです。

奈良に生まれ育って。
今も文豪達の愛した地に暮らしていて。
現在奈良で本にかかわる仕事をしていて。
ブログという発信手段を持っている。
そして何より、奈良が好き。

そんな私がやらずにどうする?

あ〜なんだか久しぶりにワクワクしてきました。
どんな本に出逢えるのか楽しみです♪
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by nara-chirindo | 2007-06-02 20:36 | 奈良本