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古都奈良の古本屋 智林堂書店のブログです。店主代理が綴る、本と人との一期一会な日々♪      近鉄奈良駅から徒歩5分ほど、もちいどの商店街内。不定休。11時から18時半頃。0742-24-2544


by nara-chirindo
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店主代理おすすめ本10『せどり男爵数奇譚』

世にコレクター、蒐集家と呼ばれる人達がいます。
女性より男性が多いように思います。
小学生ぐらいの小さな子だって、ものすごいコレクションを持っていたりしますよね。
キャラクターのカードだとか。
お金のかからないところではきれいな小石だとか。
私の兄も少年の頃、スーパーカー消しゴムやビールの王冠をせっせと集めていました。
きっと世代によっていろいろあるのでしょうね。

蒐集家魂に火をつけるポイントは、
1、何種類もある
2、しかし無限ではない
3、そしてその中にはめったに手に入らないものがある
というあたりにあるのでは、と私は推測するのですがいかがでしょう。

古本の世界でも、すごい方がいらっしゃいますよ。
店主代理おすすめ本10『せどり男爵数奇譚』_d0105133_22204626.jpg

『せどり男爵数奇譚』(夏目書房版)
 梶山季之 1995年 ¥1000
 
 74年「オール讀物」に連載、桃源社より単行本化。本書は復刻版。
 不可思議な古書界の内幕を描いた小説。
 ”ビブリオマニア”(書物狂)たちの繰り広げる珍談・奇談の数々!

私なんかはとても及びもつきませんが、古本の魔力に取り憑かれた人々がコレクションのため東奔西走する姿、おもしろくやがて哀しく、興味深く読みました。

ふと漏らされた、著者の実感こもった述懐。
「書物とは、知識の泉であった。どんな本だって、一人の人間の精魂が傾けられている。それだから、貴重なのだ。」

そうだそうだ!
by nara-chirindo | 2007-04-24 23:07 | 店主代理おすすめの一冊