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古都奈良の古本屋 智林堂書店のブログです。店主代理が綴る、本と人との一期一会な日々♪      近鉄奈良駅から徒歩5分ほど、もちいどの商店街内。不定休。11時から18時半頃。0742-24-2544


by nara-chirindo
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寄贈本ロマン

今日の朝日新聞夕刊に、図書館に関する気になる記事がふたつ。

「寄贈本 図書館ジレンマ」 
財政難のため、市民から寄贈を募る図書館。
でも実際持ち込まれるのは廃棄処分するしかないような本が多い。
千葉の図書館では約3万冊寄贈されたうち、蔵書になったのは約6千冊。
図書館が本の処分を代行しているようなものだと嘆く声も。

「曾根崎心中初版 初の完本」
近松門左衛門の人気浄瑠璃「曾根崎心中」初版本の完本が、富山県黒部市立図書館で見つかった。
同市の旧家が市に寄贈した古文書の中にあったとか。

 
寄贈、あなどれませんね〜。
1700年頃の書物が完全な形で発見されるとは。
しかもこれだけ有名な曾根崎心中の初版本。
近松研究者はさぞ色めきたっていることでしょう。

こんな大物が掘り出される可能性がまだあるなんて、ロマンだと思うんですよね。
それは古本屋にもあり得ない話じゃないあたりがまたしびれます。
生涯でたった一度でも、そんな掘り出し物ができたなら。
図書館関係者にしても古本関係者にしても、冥利に尽きるというものじゃないでしょうか。
今はまだどこかの蔵で眠っているお宝本に、お目にかかれる日が智林堂にも訪れますかどうか。
by nara-chirindo | 2008-07-12 22:30 | 本日の図書館本